#明星和楽 Today’s Art 「未来のクリエイティブ」

#明星和楽 Today’s Art 「未来のクリエイティブ」
Report

2018年の明星和楽(クリエイティブとテクノロジーの祭典)は、福岡市にて3月23日から31日まで開催されており、3月25日の本日は福岡アジア美術館にて、「無駄づくり」の藤原麻里菜さんや、アクセサリーを中心とした通販(通信販売)サイトのモノサーカスさんなどのトークセッションが行われています。

Today’s Art の最後は、masuda mikuさんと、藤原麻里菜さんによる「未来のクリエイティブ」についてのトークセッション。

活動紹介

masudaさんは、イラストレーターで九州産業大学芸術学部映像学科に通いつつ、男女の恋愛をイラストにして、Instagramやtwitterにて公開して、人気を博しています。イラストを先生に見せて「これ、1日1回投稿してみない?」と勧められて、活動を開始したとのこと。一方、藤原さんは、元々お笑い芸人をやっていますが、一方で、頭の中にあるものをどうにかして作る「無駄づくり」という活動を5年くらい続けています。明星和楽にも展示している、「Twitterで『バーベキュー』と呟かれたら藁人形に五寸釘を打つマシーン」などを創っています。現在、200個くらい作っているとのこと。

若くして今のキャリアに至った経緯は?

藤原さんは無駄づくりという活動で生活できており、masudaさんも同様に生活できています。SNSでの活動がそれを大きく支えており、両名は、とにかく気軽にSNSに作品を投稿しています。それを「インスタント表現」と呼ぶと、藤原さんは語ります。インスタントさが大事で、投稿した作品を見てくれたクライアントが仕事を発注する流れになっているそうです。また、無駄づくりをしている藤原さんは、YouTubeに動画を投稿する以前からものづくりではなく、お笑いをやっていて自分のやりたいことの流れに身を任せてやっていった結果、電子工作などもできるようになり、今の状態になったとのことです。

masudaさんは創作活動のなかで共感してほしいという感情があり、イラストの中のセリフを博多弁にしたときに反応が薄かったので、やめたりしたことがあったそうですが、男女の恋愛について書くことはコンセプトとしてあるそうです。同様に、藤原さんも、人間性を偽ったものを作っていた時期があり、性格を勘違いされた経験があるということを語っていました。コンセプトは曲げないけども、それ以外のところは柔軟に対応することは、活動をする上で重要なポイントのようです。

福岡のクリエイティブシーンをどう思う?

藤原さんは「アジア美術館の展示が良い。(市内の人は)お洒落なイメージがあるし、独自の発展をしているように思っていて、面白いと思っていました。」と語り、masudaさんは「最近どんどんお洒落になってきている」と感じているようです。「福岡だからこそのクリエイターのコミュニティは羨ましい、同じような人とつるまなく、違う人たちがつるんでいる感じがいいと思う」とのこと。特に明星和楽はその傾向が強くあるようです。

未来のクリエイティブはどうなる?

女子高生が自分で編集したクオリティの高い動画をガンガンアップしているので、美大生なども(そういうやり方を)知っておくことは大事かもしれません。藤原さんは「未来のクリエイティブは、メディアが増えることと思う。動画撮影ツールのTikTokなどを使って、映像を作っているのを見ると、今まで映像作家やイラストレーターなどが試行錯誤していたことが、とても簡単にできるようになっている。」と、そこから未来を感じているそうです。

でも、藤原さんは「自分の作品を簡単に社会に投げれて、社会からフィードバックが簡単にもらえるのは、少し怖いと感じる」とので、気軽にお勧めすることはできないと考えているとのことです。

クリエイターとして大事なことは?

「根本的な表現の個性が大事。時代についていけなくなることは怖くて、無駄づくりを面白がって観てくれているのは時代のおかげで、いまの時代のおかげで、時代についてくこともとても大事だと思う。」と藤原さん。

海外からのお誘いきたことあるか?

「札束で頬を叩く『モチベーションマシーン』を出したときにタイのメディアで大変人気になって、それを知ったドイツのテレビから取材依頼があって・・・」と、藤原さん。結果的にドイツでは受け入れられなかったようです。「台湾からのコメントがたくさんついたことがあって、日本の文化がすごい受け入れられもらいやすくなってる気がする。日本だけに囚われていたから、ほかの国で取り入れてもらえるのであれば、もっと幅が広げられると感じている」とmasudaさん。