インタビューについて
今回は福岡でも話題になっているスタートアップ「CAVIN」へのインタビューを行いました。代表取締役社長 CEO、Yuya Roy Komatsu(小松祐也)氏は以前、明星和楽にも深く関わっていた一人だとか。(新参の著者はインタビュー後半まで、元身内とは知りませんでした。笑)
今回、fgn.にてハワイの花屋さんと生産者さんを繋ぐミートアップイベントを行われたとのことなんですが、
- そもそもCAVINってどんなことをしてるの?
- なぜミートアップイベントを行われたのか
- 事業やイベントの裏に潜む社長の想いとは?
などなどを知ることのできるレポートとなっております〜!
そもそもCAVINって?
それでは、早速インタビューの方に移らせて頂けたらと思います。CAVIN様の会社概要を聞かせていただけますか?
CAVINは、 花屋と生産者の直接取引プラットフォームを作っています。生産者は花屋に直接商品を提案できて、花屋は生産者から直接仕入れることができるサイトです。既存の流通では、生産者が育てた花は、市場でセリにかかり、卸、仲卸を経て花屋さんに届くことが多かったです。
そういったところで直接お花屋さんと農家さんをつなぐところの強みがあるんでしょうか?
まずは直接繋ぐことで、流通が短縮されます。生産者のもとから花屋に届くまでの時間が短くなるので、鮮度を保ってお届けできるようになりました。花屋の目線で言うと 商品の在庫の寿命が長くなる。一般消費者の方からすると部屋に飾った後により長くお花を楽しめるようになっています。これは1個目の強みですね。
そして2つ目が小ロットで買えるようにしました。小ロットで買えるということは、生産者からすると新しい品種の試し売りができて、花屋さんからすると新しい品種の試し買いができるようになっています。これによってマーケットインのデータを取得する構造を作りました。
そして実際にそのデータをユーザーに届ける必要があります。従来では中間の業者が入っていたため花屋と生産者はすごく離れた状態になっていました。これを僕たちは直接メッセージのやり取りができるメッセージ機能によって花屋から生産者へ試し買いをした後のフィードバックをしたり、生産者から花屋へご自身の花のヒアリングなどができるようになっています。マーケットのニーズを捉えた花の流通を鮮度高くできるようになったんです。
ありがとうございます。実際にそういったフィードバックとかって結構もうすでに盛んに起こっていたりするんでしょうか?
そうですね、右肩上がりでメッセージの数は増加しています。中には本物のお手紙をお花に添えて送っているような生産者様もいらっしゃいます。
素敵ですね。実際にCAVINを使っているお客さんからは、どういったお声をお聞きになりますか?
そうですね。例えば分かりやすいところだと、花市場から遠い距離にお店を構えた花屋さんなどですね。例えば消費者から、10本だけ赤いバラが欲しいと言われた時に、もしお店の冷蔵庫になかったら、その10本を買いに行かなきゃいけない状況でした。ここで仕入れに費用がかかるのはもちろんなんですが、個人の経営の場合はお店を開けなきゃいけないので、その間に来ているお客さんを取りこぼしてしまうことにもつながります。これが無くなったっていうことが非常に良かったと言われていますね。
さらに、花市場さんはこう、CAVINとは違って小ロットではなくて、割と大きなロットでの販売も多いので、そこでもロスがさらに発生してしまう。弊社のサービスは両方を解決 できるという点で喜んでいただいています。
日本とハワイのミートアップイベント
今回はどのようなイベントを開催したのですか?
生産者と花屋のオフラインのミートアップイベントを行いました。そこではハワイの花屋とも中継をつないで、日本とハワイをつなぎました。
どのような背景があって開催されたのでしょうか?
ハワイの花屋さんがお店のレセプションパーティーをするということで、日本のお花、特に九州に力を入れて輸出をさせていただきました。それに合わせてこちらでもミートアップイベントを開催して、日本とハワイを繋いだんです。
どういった目的で開催されたのでしょうか?
これまではお花業界というのは、生産者さんと花屋さんの間が空いてしまっていたような業界です。会ったことがない人たちが多いんです。CAVINを通して、実際にまずはデジタルでメッセージのやり取りで人と人が繋がれるようにしたのが、「CAVIN」というプラットフォーム。その次に人と人が顔を見て会えるような場として今回のイベントを提供しました。これは生産者と花屋さん、両方にとってすごく重要なことだと考えているんです。
お仕事をする上でやっぱりちょっとこう、気持ちが萎えてしまうこととかもあると思うんですね。山あり谷ありだと思うんで。例えばレストランのシェフにとっては、お客さんから「美味しい」という声を聞けることがすごく励みになると僕は考えています。ですがお花の場合、生産者の方々はこれまで、暑い日も寒い日も頑張って作っていらっしゃるお花を、人々が見て「きれい」って言ってる一言を聞いたことがない状態なんですね。これは非常に悲しいことだと思っています。
また、お花を絵の具のように使ってブーケという芸術作品を作る方々がいらっしゃるんですが、これまではこんな色の赤が欲しいとかこんな色の青が欲しいとか好きな絵の具を伝えることができませんでした。そこで実際に会って、ユーザーさん同士が繋がっているのを見て、商売のキホンのキ、じゃないですけど。こう、テクノロジーが進む前の古き良き時代に戻ったのかなというのは思って見ていましたね。
そのくらいお花業界にとってはすごく革新的なことだったんですけれども、もちろん日本の生産者さんと日本の花屋さんがつながるだけでも革新的なんですが、さらに一歩進んだこととして、いきなり世界と繋ぐっていうことを新しい試みとしてやりました。
お花業界にとってはそのくらい大きなことだったんですね。今まで伝わっていなかった「こういったお花がほしい」といったお声もそうなんですが、逆に生産者さんの「こういったものも準備できるよ」っていう場合も、やっぱり実際にはあるんでしょうか?
ありましたね。画家がオレンジの色が一色しかなかったら夕日を表現するのってすごく難しいと思うんです。オレンジって言ってもたくさんのオレンジがあるはずなので。それって花も同様のはずなんですよ。一言に何色っていう風に言ったところでたくさんあるから、そのたくさんの色の絵の具が世の中に出るためには、絵の具を作る人と絵を描く人のコミュニケーションが欠かせないと思うんです。花で言うと生産者さんと花屋さんが相互に交流をして新しい花を作っていくことになるわけです。これができたのは 良かったかなと思ってます。イメージ通りの花がもっと届くようになると思います。
ありがとうございます。イベントの様子を見ていると、結構参加者同士で会話がたくさん起こっていますね。イベントをされてみて、印象に残ったことはなんですか?
もちろん、ユーザーさん同士をつなげられたというのはもちろんなんですが、普段後ろ側の仕事をしてくれてる人たちがユーザーと触れ合えてる瞬間を作れたっていうことが印象に残っています。経済っていうのは絶対人の願いだっていうふうに僕は思ってるんですが、社長さんの役割ってこの願いを束ねること以外にないと僕は思っています。
もっと平たい言い方をすると、自分一人でできるならチーム組んでる意味ないんですよね。だからなんかこう、常に僕の想像を超えていっていない状態って僕は CEOとしては失敗してると思っているので。なかなかユーザーさんと会う機会もないメンバーもいます。だけどそういう多くの人の積み重ねでできてるのが仕事というか会社だから、彼らがユーザーさんと触れ合える瞬間をつくれたというのは大きいです。僕は人が活躍できる舞台を整えるのが社長の唯一の仕事だと思っているので。そういう意味で、人が活躍できる舞台を整えるのが社長の唯一の仕事だとするなら、まあ上手くいったかな?と、個人的にはちょっと嬉しく思っています。
上手く人の願いを調整してというか、人が活躍できる舞台を整えているっていうのがすごく心に残りました。今回の輸出イベントなんですが、今後他にもイベントを開催される予定ってございますか ?
そうですね、定期的にやっていきたいと思っています。もちろん何というか、こういうイベントをしてすぐに売り上げが立つとか、いくら稼げるとか、そういう直接的な影響はないと思うんですけれども。何よりユーザーとメンバーの心理的な良さがあるんじゃないのかなと思っています。けど、こればっかりは数字で説明しろって言われてもなかなか難しい ですよね。どのくらい自分のテンションが上がったかって。汗の量とか心拍数とかのデータですることはできますけど、美しいものを説明していることほど無様なものってないじゃないですか。難しいと思ってはいるんですが、それでも一応定量的には 取れるデータを取っていこうっていうことでデータ取ったんですけど、次回参加したい人の割合が96%あって。
ええ!すごい
満足度も、満足・非常に満足と答えた方が100%でした。チームが一丸となっていたのは良かったですね。
ありがとうございます。イベントの展望をお聞きしたんですけど、会社全体としての展望を最後にお聞かせていただけたらと思うんですがいかがですか?
明星和楽とCAVIN Yuya Roy Komatsu氏の関わり
実は明星和楽には、島で2日間、fgn.で2日間やるみたいなイベントがあってそこでMCをしたのが僕だったんです。
それから明星和楽さんのピッチイベントで、当時の僕たちは、ほんとプロダクトも持っていないような状態で出場させていただいて、シリコンバレーのアクセラレーターの賞をいただいたこともありました。
さらにもう1個だけ特別なとこで言うと、うちのロゴとかを作ってくれてるブランドマネージャーと僕が初めてで出会ったのも明星和楽だったんです。
だから明星和楽さんは僕にとっては結構特別なメディアなんです。
それで、会社の展望ですよね。そうそうね、質問は。
会社の展望と変化
言ってることは、明星和楽の時と変わってないと思うんですよね。変わってないと思うけど、ただ「展望は何ですか」って聞かれたら当時の僕と今の僕は結構答えることは違うと思います。
へえ、気になります
なんか当時の僕はこう割と、社会に対して怒ってたなーっていうふうに 思うんですよ。「なんでこんなにゴミを捨てるんだろう」とか「どうして子供がご飯を食べれてないのに、わけのわからんところにばっかりお金が流れるんだろう」とか。そんな状態から始めたんですよ。でも気づいたら、例えばモテたくてベーシストになったけど、気づいたらベースに恋してるみたいな状態になり、それで楽しいからやってるっていう風になりました。
なんだろうな、この仕事はなんか、自己を投影できます。
どういうことかっていうと、疑ってないはずなのに一番疑ってる役割がCEOだと思っていて。すごく乖離した仕事だと僕はずっと思っています。絶対いけると思ってるからそっちに進んでるわけですが、絶対いけると思ってるやつが、いけないかもしれないと思いながら、素早い仮説検証をずっと繰り返してるみたいな。そしたら何が起きるかっていうと、生粋の自信家なんだけど、生粋の自己否定が完成してしまうんですよ。CEOは根っからの自信家。ただ失敗経験が半端じゃないほどあるから、自分を誰よりも疑ってる人が多いんですよ。本当にそうなのか?みたいな。
ごちゃごちゃになって「何してるんだろう?」ってなってしまいそうです。
でも止まっている時間も残されてないから、今はそういう時じゃないって思い続けてたら、気づいたら何年か経ってて。で、ある時ぱっと周りを見たら、周りの人たちに共感者がめちゃくちゃ増えてるんですよ。そしたら初めてその時に、なんというか、ビジョンとミッションの達成はまだしてないですけど、「あ、間違ってなかったのかなこの日々は」と思えます。
スタートアップはやめない理由は1個しかないのに、やめる理由が多すぎると思っています。だけど、挫折しそうになったときに、怒りだったり、続けていたからこそ増えていった関係者の方々がいて、関係者が増えれば増えるほど、この使命感ってモリモリに強くなっていくから、それが支えになるんです。
割と自分勝手でアーティストっぽい人が多いのでここに至るまでが長いですね起業家は。そんな「自分が好きなことを自由にやりたいんだ」みたいな人が、その境地に来るまでって、結構時間かかるだろうなと思います。もともとそういうタイプじゃない人の方が 向いてると思う。ですし、そういう状態を僕以外に作るのが、これからの会社の展望です。
本当にこう、全力でずっとやってこなければ行き着かない境地なのかなと思いました。許される境地に僕もたどり着けるよう、本当につらかった時のためにも僕の心に留めておきます。
ありがとうございました。
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いかがでしたでしょうか?
ハワイ輸出イベントの簡単なレポートのはずが、気づけばこのような大ボリュームに、笑
スタートアップの起業家の苦悩や、素直な「気持ち」を伝えられる世界をつくるCAVINの大きな夢にも触れることができ、大変勉強になりました。
次のレポートもお楽しみに!
過去のYuya Roy Komatsu 氏へのインタビュー記事も合わせてご覧ください!
【CAVIN Inc. | 素直な「気持ち」を伝えられる世界をつくる】
CAVIN Inc.は「生産者 – 花屋 – 消費者」という花の流れ全てをプロデュースする、福岡市を拠点とするスタートアップ企業です。
■HP :https://cavin.ooo
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【CAVIN|生産者 & 花屋 の直接取引プラットフォーム 】
■HP :https://platform.cavin.ooo
CAVINはスマホで簡単に花の取引を実現するウェブサービスです。 ITと独自の流通により、これまでにない鮮度で花をお届け。