「明星和楽2018 Summer」が閉幕した。
9月13日と14日の2日間は、博多湾の中央にある能古島をほぼ貸し切り状態で非日常を楽しみながらクリエイティブな体験ができる「WARAKU CAMP(ワラクキャンプ)」。9月15日と16日の2日間は、市内だけではなく、海外からもスタートアップ企業や支援者、及びベンチャーキャピタルなどが集まり、パネルディスカッションやピッチコンテスト、ブース展示などを通じて、ビジネスマッチングを行う「WARAKU SUMMIT(ワラクサミット)」を開催した。
今回から「異種交創」とコンセプトをリメイクして臨んだ明星和楽。CAMPには約100名、SUMMITには約3500名が参加した”常識を揺さぶる4日間”の全貌に迫りたい。
初の試み、WARAKU CAMP
福岡市街から一時間弱で到着する島がある。博多湾の中央に位置する能古島のことは、福岡市民なら皆一度は聞いたことのある島だ。明星和楽初の試みとなるWARAKU CAMPの会場は、この能古島にあるキャンプ場。海に面したキャンプ場からは福岡市の街並みが一望できる。
オープニング前のランチタイムに高島市長登場
福岡市の街並みを一望しながらオープニング前のランチタイム。参加者同士が初めましての挨拶をして会話が弾む中、高島市長も!しかも和楽Tシャツ着用!福岡市がMoUを結ぶ海外都市からゲストも参加しており、市長自ら積極的にコミュニケーションを交わす姿が印象的だった。
オープニング
オープニングには明星和楽実行委員長である松口健司、通称マツケンから英語で挨拶。今回4日間全てのメインMCを務めたYuya Roy Komatsu氏は、英語と日本語を使い分けCAMPでも会場を盛り上げた。オープニングアクトでは豚星なつみ氏による書道パフォーマンス。参加者全員で手形をつけて作品が完成した。
チームディスカッション
海外ゲストや国内のビジネスマン、現地の学生など多様な編成でチームが組まれた。「2020年東京オリンピック暑さ対策」というお題を2日間かけて議論し、最終発表は英語で行われた。
BBQ & ナイトパーティー
CAMPと言えばディナーはBBQ。焼師として活躍する中村圭一氏プロデュースのお肉は絶品。BBQ後は、「DJ NOMA」やバリカタスタイルコーラスグルプ「FREAK」によるパフォーマンスでナイトパーティーが催された。その後はキャンプファイヤーと花火で1日が締めくくられた。
体験ワークショップ
2日目の朝は、様々なアクティビティや体験ワークショップが用意された。株式会社ヤマップさん企画のSUP、シーカヤックやGMOペパボ株式会社さん企画のハーバリウム体験コーナー、玄海島ツアーは圧巻の自然が堪能できたのではないか。ランチは普段六本松に店を構えるエメラダさんの塩チキンカレー。海外ゲストからも絶賛の声があがった。
クロージング
CAMPの締めくくりは、2日間各チームでディスカッションをしたアイデアを全体でプレゼン。英語でのプレゼンに国内からの参加者も皆前向きに楽しく取り組んでいた姿が印象的だった。最終的に投票を行い、票が多かった上位3チームには副賞も贈呈された。
明星和楽では初の取り組みとなったCAMP企画。明星和楽実行委員長のマツケンは、「異種交創というコンセプトの通り、今回のつながりを次のステップに繋げて新しい何かが生まれることに期待したい」と語った。
2日間で約3500名が集まったWARAKU SUMMIT
海外から総勢40名のゲストを招待したWARAKU SUMMITのコンテンツは盛りだくさん。20を越すセッションや合計26社が参加したピッチコンテスト、クローン文化財としてゴッホの自画像が飾られている隣には3Dボディスキャンが。高校生も参加する学生向けビジネスコンテストやブースエリアでは70社を越す企業が出展。ブースエリアでは他にもPR TIMESによるリリースステージが設置されていたり屋台が出現したりと盛り上がりをみせた。コンテンツ盛りだくさんのWARAKU SUMMIT2日間に迫る。
オープニング
CAMP同様、オープニングではメインMCのYuya Roy Komatsu氏と明星和楽実行委員長マツケンによる挨拶でスタート。オープニングアクトでは、マーチングバンド「FUKUOKA DreamScouts performance corps」が会場を盛り上げた。
20を越すセッションのテーマは、テクノロジーからローカルまで
総勢100名を超えるゲスト陣によるセッションのテーマは数えきれない。最先端のテクノロジーとしては、ブロックチェーンやAI、ロボティクスなどが中心に。その他にも音楽やローカルなど様々なテーマのセッションが展開された。
26社が参加したWARAKUピッチ
今回明星和楽では、国内VC向けピッチ(福岡市内スタートアップ登壇)、海外連携先向けピッチ(福岡市内スタートアップ登壇)、福岡進出に向けたピッチ(海外スタートアップ登壇)の3つのピッチコンテストを開催。当日ピッチ可能な企業数の4倍近くの企業から応募がきており、書類審査を勝ち抜いた企業による気迫溢れるピッチは圧巻だった。
“触れられる”ゴッホの自画像、横には3Dボディスキャンが
イベント会場の一角ではなんと“触れられる”ゴッホの自画像が展示された。東京藝術大学COI拠点制作、株式会社IKI、東京藝術大学の協力のもと、クローン文化財の展示が行われたようだ。クローン文化財とは、宮廻正明東京藝術大学名誉教授率いるチームが開発した特許にもとづき制作された、文化財の超高精細復元作品のことをさす。
またその隣には、京都造形芸術大学の協力のもと3Dボディスキャンが!高島市長もスキャンされSNSでは話題に。
高校生、大学生が参加したビジネスコンテスト
前回の明星和楽では学生ハッカソンが開催されたが、今回は企業も巻き込んでのビジネスコンテストが行われたようだ。株式会社産業経済新聞社、株式会社ふくおかフィナンシャルグループの2社から学生にテーマが与えられるというもの。予選、決勝を勝ち抜いた勝者には、自分が考えたビジネスプランが、事業化に向けた検討をするためのPoCへ採用される権利が得られる。世界最大級のコンサルティングファームであるPwCが開催し、明星和楽実行委員会と共に予選、決勝を開催。
予選には、両社合わせて13チーム30名の学生が挑戦。各社優勝チームが当日の決勝を経て発表され、中には現役高校生の名も!福岡の若い力を感じるビジネスコンテストだった。
70社を超えるブースエリアには屋台も参戦
福岡市内や海外スタートアップ約70社がFukuoka Growth Nextグラウンドでブース出展をした。メインテントではPR TIMESによるリリースステージが設けられ、2日間朝から夕方まで福岡市内のスタートアップを中心とした企業がリリースを行った。
ブースエリア入り口付近には屋台も出現。福岡市を代表するコンテンツは海外問わず多くの参加者を魅了した。
4日間にかけて開催された今回の明星和楽2018 Summer。
今回からコンセプトを「異種交創」にリメイクしたそうだが、そのコンセプトが感じられる4日間だったのではないだろうか。運営陣も学生が多く活躍する姿も見られ、世代間の融合でこれからも福岡を盛り上げるムーブメントとして開催されるだろう。明星和楽実行委員長のマツケンは、「イベントとして単発で終わるのではなく、継続的なコミュニティとして今後も運営をしていきたい」と語った。
さあ、次回はどんな「異種交創」の場になるのだろうか。次回にも期待したい。