「商店街×高校生×傘」油津アンブレラスカイ〜勝手にクリエイティブ大賞2019 インタビュー〜

「商店街×高校生×傘」油津アンブレラスカイ〜勝手にクリエイティブ大賞2019 インタビュー〜
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2019年10月29日・30日に天神・スカラエスパシオで行われた「明星和楽2019」。
1日目には「勝手にクリエイティブ大賞2019」が行われました。

明星和楽のテーマ、「異種交創」。

このイベントでは、「異種交創」によって生まれた新しいモノ・コトを発掘することをテーマに、一般の方々やゲスト審査員が“勝手に”エントリー作品をリストアップし、その中から審査を通じて賞が与えられます。

今回の「勝手にクリエイティブ大賞2019インタビュー」では、大賞・優秀賞を受賞した方々にインタビューを行なっていきます。

今回は、優秀賞を受賞した「アンブレラスカイ」代表・穐田 南海(あきた みなみ)さんにお話を伺いました。

Q. クリエイティブ大賞の感想をお聞かせください。

自分で応募したわけではなかったので、上位6作品にノミネートされたことを後から知りました。「勝手にクリエイティブ大賞」っていうイベントがあるんだなと。

自分が取り組んできた活動をいろんな方々から評価していただけて嬉しかったです。

Q. アンブレラスカイの活動を始めたきっかけについて教えてください。

中学2年生のとき、学校の探究活動で宮崎・日南市のフィールドワークをすることになりました。

そこで、そのまちづくりの取り組みがメディアに注目されていた、日南の油津商店街を調査しました。商店街について調べたり、お店の方にインタビューをする中で、商店街の方々がまちづくりに全力で挑戦している姿がかっこいいなと感じ、油津商店街の魅力に惹かれていきました。

その中でも、商店街に20数店舗を誘致するプロジェクトで日南に来られた、木藤 亮太さんの言葉が一番印象に残っています。「まちづくりは、一人ひとりが当事者意識や課題意識を持って活動していくのが大切。」木藤さんのこの言葉がきっかけで、日南のために何ができるのかを考えるようになりました。

当時、学校や部活の人間関係で思い悩んでいましたが、油津商店街のいろんな方々と触れ合うことで、自然と明るくなることができました。その恩返しをしたいなと中学生のときにぼんやりと思っていたんです。

そして、高校への進学で日南を離れて久しぶりに日南に帰ってきたとき、人通りが少なくなった商店街を目の当たりにしてすごくショックで。商店街のために自分ができることはないかなと考えました。

そのとき、ポルトガル発祥のアンブレラスカイの写真をInstagramで偶然見かけて、商店街に合うんじゃないかなと感じたんです。

また、油津商店街のアーケードは台風の影響で商店街の屋根がほとんどない状態です。雨の日になると客足も途端に少なくなります。アンブレラスカイをやることで晴れの日も雨の日も楽しめるかなと思いました。

(画像:穐田さんより提供)

Q. 商店街の方々への恩返しとして活動を始めたんですね。活動の様子を教えてください。

全長約57mに渡り約237本の色とりどりのビニール傘でアンブレラスカイを作りました。リングを取り付けたワイヤーに、先端にカーテンフックを通した傘を吊るして設置。ワイヤーの設置は業者の方に頼みましたが、傘の取り付けはボランティアの方々に協力していただきました。

商店街の天井に傘を設置するにあたり、道路使用許可証が必要で。その手続きも大変でした(笑)。

また、設置費用などを集めるためにクラウドファンディングを実施し、おかげさまで目標金額を大幅に超える支援をいただきました。ご支援いただいた方々には、商店街のカフェや豆腐屋さんのお食事券や油津で造られている焼酎などを、お礼のお手紙と一緒に送りました。

傘の設置やクラウドファンディング、その他諸々の手続きが大変でしたが、アンブレラスカイのオープニングセレモニーの挨拶で中学生の頃からお世話になっていた方々が涙ぐんだ姿を見て、「本当に頑張ってよかったな」と思いました。

Q. アンブレラスカイの活動の効果はありましたか。

アンブレラスカイは1ヶ月半のイベントとして行いましたが、県外から見に来てくださる方もいて、ある店舗では売り上げが前年比2割UPという経済的な効果もありました。

アンブレラスカイを開催する予定は今のところありませんが、もし機会やタイミングが合えばまた実施しようと思います。

(画像:穐田さんより提供)

Q. 穐田さん自身の今後の目標について教えてください。

アンブレラスカイを終えた後は多くの発表する機会をいただき、新しい企画は出来ていませんでしたが、最近になってやりたいことがまた増えてきました。

高専では寮生活をしているんですが、寮の洗濯革命をしたくて(笑)。寮の洗濯機や乾燥機がいつも混んでいて、混んでいるかどうかも洗濯室まで行って確認しないとわからない。洗濯機や乾燥機の空き状況がスマートフォンで確認できたら便利になるんじゃないかなと。

新しい技術やクリエイティブを使って、便利にしていきたい。規約やルールを変えれば状況は変わるけど、それだと個人的にあまり面白くないんです。自分の周りにある問題を批判するだけではなく、自分ができることで解決していきたいですね。

また、アンブレラスカイのプロジェクトを終えて、スキルを持つことの大切さと自分にスキルが無いことを痛感しました。私たちの高専では5年生から研究室に入るのが一般的ですが、高専の先生にお声がけいただき、ありがたいことに2年生から研究をさせてもらっています。物事を深掘りして論理的に考えるのが苦手なので、論理的思考力を鍛えるべく研究を頑張ろうと思っています。

Q. 同世代の中高生に対してメッセージをお願いします。

活動を始める前は、日南をつまらない田舎な街だと思っていました。早くきらびやかな都会に進学・就職したいって。

でも、中学校の探究活動をきっかけに、面白い大人の方々を通して街の魅力に気づくことができました。自分から積極的に動けば、今までつまらないと思ってた街が楽しいと感じ始めました。

もし今の日常がつまらないと感じている方がいれば、自分から活動してみることをおすすめします。小さなことからでも良いと思います!

(画像:穐田さんより提供)

穐田 南海(あきた みなみ)

都城工業高等専門学校 物質工学科3年。1年生の頃に油津商店街アンブレラスカイプロジェクトを企画。2年生からは、学校の研究室で勉強中。