福岡市、新たな起業と雇用を産み出すグローバル・スタートアップ国家戦略特区を提案

福岡市、新たな起業と雇用を産み出すグローバル・スタートアップ国家戦略特区を提案

国家戦略特区ワーキンググループにて、福岡市が「新たな起業と雇用を生み出すグローバル・スタートアップ国家戦略特区」を提案しているようです。

提案のコンセプトは「雇用を産み出す起業(スタートアップ)へのチャレンジを応援する社会へと日本を再構築する」としていて、以下を狙いとしている提案のようです。

  • 産業の新陳代謝が進み、時代に沿ったより競争力ある産業へ人々の雇用が移る
  • 大きな問題となっている若者の雇用が増える(15歳~24歳が最も失業率が高い)

スタートアップの定義によるけど、この提案の中では「起業」をスタートアップとして扱っていて、クリエイティブ・ヘルスケア・食を中心とした起業をサポートする仕組みが考えられています。

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現状、日本の開業率は平均4.5パーセントで、福岡市はそれを上回る6.4パーセント。そこを、20パーセントに伸ばしていく様子で、その施策は起業検討期、立ち上げ期、成長期と各フェーズにわけられ、5つのプロジェクトが提案されています。プロジェクトの内容は以下のような感じ。

グローバルに活躍するベンチャー企業や新規事業の創出
世界で活躍し日本を牽引するベンチャー企業や経済社会に変革をもたらす新たなプロジェクトを生み出すため、民間の投資ファンドとの連携や税制優遇、自治体からの発注制度の特例などを組み合わせた支援を行う。

戦略分野の推進(クリエイティブ・ヘルスケア・食)
成長分野におけるスタートアップを促進するため、分野ごとのコミュニティ形成や産学官の連携を推進するとともに、起業家育成拠点の形成や海外の高度人材の活用を図る。

アジア有数の MICE クラスター整備と民間開放のための特例措置
コンベンション・ホテル・クルーズ船(カジノ)・ミュージアム・インキュベーション等の複合体を、民間資金を活用して整備を行う。道路空間などのMICEへの開放やオープンデータを活用したIT化支援を行う。

日本初、MICE イノベーション創出体制構築・実証実験の誘致・実施の環境整備
MICEを戦略的に誘致する。国内外から高度人材獲得・集積のためのプラットフォーム構築する。マッチングやイノベーションを促す交流開発拠点の整備を行う。
製品開発のための実証実験の誘致や実施の支援など環境整備を行う。

都市連合による日本の改造 ~スタートアップが評価される日本へ~
スタートアップ都市づくりに取り組む都市が経済界と連携し、人材育成やマッチングを行い、次々と新しい企業が生まれる日本への改造を図る。

以上、壮大すぎて良く分からないと思いますが、「市」というレベルで提案されていることを考慮した方が良さそうです。また、MICEというのはMeeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行), ConventionまたはConference(大会・学会・国際会議), Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語で、国際会議や学会、国際的なイベントなどを福岡市内に誘致すると、国内・海外からたくさんの人を呼び込める可能性があがります。

テクノロジー系のスタートアップが注目すると良さそうなポイントは以下かな?と思います。

  • 経営者個人保証の見直し
  • 再チャレンジのためのセーフティネット構築
  • スタートアップ期間に限定した解雇規制の緩和
  • スタートアップ期間に限定した法人税減免
  • ベンチャー出資に対する法人税の減免

スタートアップ期間っていうのが定義が難しいですが、現在40%前後の法人税をシンガポール並みの18%くらいにお安くなると、国内はもとより、国外からも企業誘致の可能性があがりそうです。

「クルーズ船内のカジノ営業の緩和」というのも、面白い試みですね。

「国家戦略特区」に関するアイデア募集には、197案が提案されていて、2013 年秋、内閣総理大臣を長として設置される予定の「国家戦略特区諮問会議」にて選定されるとのこと。

グローバル・スタートアップ国家戦略特区、採択されるといいですねえ。

 

写真:Heisenberg Media