REPORT:まちなかアートギャラリー福岡2013(第1話)

REPORT:まちなかアートギャラリー福岡2013(第1話)

ハンバーガーのセットを注文したらポテトから食べるようにしている。ハンバーガーは冷えてもそれなりにおいしいが、冷えたポテトは格段に味が落ちるからだ。できればポテトはひとりで食べたい。数人で食べようとトレイに広げると、急激に冷えてしまうからだ。そう、ここ数日の福岡の気候のように。台風の影響か暑い日が続いたと思ったのもつかの間、街は急激に冷え込み、通りをゆく人々の装いが急に秋らしくなる。秋といえば、芸術の秋だ。ポテトの話は忘れてほしい。「まちなかアートギャラリー福岡2013」の展示会場を数ヶ所まわってきたので、写真とともにレポートしたい。

 

「まちなかアートギャラリー福岡」は、若手アーティストに街頭空間での展示機会を提供し、地域に新たな表現の場と賑わいを生み出すことを目的に開催されている。街中の様々な場所に広がったアート空間では、様々な作家による作品が展示されている。第4回目となる今回は、その会場ならではのアート作品が展示されており、街や人々の経験や記憶・文化を積極的に引き継ぎ、活かす視点を持つべきという課題に向き合っている。

まちなかアートギャラリー福岡2013

 

肌寒い。街が肌寒い。数日前の暑さに合わせて薄着をしてくると、冷えたポテトよりもマズイことになる。ポテトの話は忘れてほしい。それでも日なたに出ると暖かく、木々に囲まれた公園を通り抜けると、暖かさと寒さにかわるがわる迎えられる。この気候をツンデレ気候と呼ぶことにしよう。そんなことを考えながら地図を片手に歩いていると、秋の空は雲に覆われて晴れ間が見えなくなってしまった。ツンデレ気候のデレがなくなって、これは普通に寒い日だ。撮った写真もどんよりしている。

 

最初に向かったのはオフィスから一番近い赤煉瓦文化館。毎日のように目にしているのに、これが何の建物なのか調べたことがなかった。身近にありすぎて意識しない、空気のような存在だ。この建物が空気だとうことは、赤煉瓦文化館がなくなったら福岡人は生きていられないのだろうと思う。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

各会場にはY氏によるコラムが設置されている。赤煉瓦文化館の建物は明治42年に旧日本生命保険株式会社の九州支社として作られたそうだ。東京駅の駅舎にそっくりな赤煉瓦文化館は、実は同じ人がデザインしたのだとか。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

Y氏のブログでは福岡・佐賀・長崎の珍スポットや郷土史、トリビアやトマソン(不動産に付属・保存されている無用の長物。壁に扉があるけど階段がない、など)をゆる〜く紹介してる人気ブログだ。

Y氏は暇人 | Y氏がくだらないお金と時間の使い方を実践します

 

今回はY氏の視点で街を「再発見できる」スタンプラリーが開催されている。10会場でスタンプを集めると抽選でQUOカードがプレゼントされる。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

また、Y氏のイラストが描かれたコラムを持ち帰ることができる。これもすべて集めたい。10枚集めてもQUOカードはプレゼントされない。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

次に訪れたのは天神中央公園。と見せかけて、時間の都合で素通りしてしまった。遠く離れた三ヶ所の公園に置かれた同じ形の謎のベンチについて解説してある。その秘密については、ぜひ公園で確認してほしい。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

天神中央公園を通り過ぎると、貴賓館が見えてくる。これも気になっていたが、近くにありすぎて素通りしてきた空気のような建物だ。この建物が空気だとうことは、貴賓館がなくなったら福岡人は生きていられないのだろうと思う。この会場では、ジャグリングで世界的に活躍する望月ゆうさく氏のパフォーマンスが行われる予定だったが、時間の都合により鑑賞することができなかった。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

この日の最後は、水上公園。WATAGATA ARTS NETWORKの韓国招待作家たちがパフォーマンスを行うステージが用意されていた。時間の都合によりパフォーマンスの鑑賞はできず、Y氏のコラムを読んでステージの裏手にまわる。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

福岡は街中に著名なアーティストの作品が展示されている。「彫刻のあるまちづくり事業」の一環で設置されたものだそうだ。水上公園には新宮普氏による「風のプリズム」が設置されている。あいにくの天気ではあったが適度な風が吹いていて、風のプリズムの不思議な動きを観ることができる。

まちなかアートギャラリー福岡2013 by shinya, on f365

 

2014年の大河ドラマの主人公、福岡藩の礎を築いた黒田官兵衛はこう言った。「昼休みにはオフィスを抜けだして散歩するといいよ」と。もしかしたら、言っていないかもしれない。今回は、時間お限られた昼休みを使っての会場めぐりであったため、ほんの数ヶ所しか訪問することができなかった。他の会場ではペインティングやマンガ、インスタレーションなどが展示されているようだ。まちなかアートギャラリー福岡2013は10月末まで開催されている。限られた人生の貴重な時間にポテトの話を読んでいるみなさんはきっと暇を持て余していると思うので、ぜひ全会場をまわって芸術の秋を堪能してみてはどうだろうか。

まちなかアートギャラリー福岡2013

 

 

その他の写真はf365でご覧になれます。
f365 | まちなかアートギャラリー福岡2013